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まえがき
古希を過ぎて2年になり体力の衰えは多少感じるが、気力はむしろ充実していて、あれこれ挑戦してみたいと思うのは以前と変わらない。
診療の合間をみて、最近はAEDの普及活動に微力ではあるが取り組んでいる。さらに、これまで発表したり、書き溜めて来たものを1冊にまとめたいと考え、ようやく上梓に漕ぎ着けた。
本の出版は私の好きな山登りと似ている。まずは目標の頂きを地上から望む所から始めた。どの山に挑むか、どのような内容の本にするかである。私が書いてきたものを1冊に纏めるだけでは物足りず、かといって新たなものを書き始めるのは正直億劫でもある。
父(近藤秀雄)がその生涯を綴った原稿が手元に有る。折に触れ目を通してきたものである。父は諸々の事情で医師になる志を閉じたが、私に自分の夢を託し、私は父の志を実現させることができた。そして今、父の原稿を私の書いてきたものに加えて出版することが最後の親孝行になると思っている。
母(近藤代志野)は明治42年(1909)5月7日生れで、今年白寿を迎え、祝宴に親戚一同が集まった。その記念写真を当書に掲載することができたことも私にとってたいへん嬉しいことである。
出版する本の構成を固めたのはもう1年も前になる。一歩一歩上り始めたはいいが、雨も降るし、風も吹く。父の手書きの原稿を改めて読み直してみると、懐かしい字体とともに父の時々の悩みや辛さに感じ入り、ついつい読むことに熱中してしまう。時間ばかりが過ぎていく。
おまけに私の文章の推敲も有る。五里霧中で進むに進めず立ち止まりビバークすることも度々であった。今回の登山は単独行ではなくパートナーがいた。北海道医療新聞社の安井潤部長である。その尽力に感謝する。
平成18年12月、思いがけない知らせが届いた。日本臨床整形外科学会から『平成19年度地域医療功労賞』を私にくださるとの知らせであった。同賞の受賞決定はもちろん私一人の力ではなく、北海道臨床整形外科医会の役員の先生方を始め、多くの方々のお力添えに寄るものである。お世話になった皆様に感謝申しあげることを本書のまえがきとさせていただく。
平成19年7月 近藤 浩
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